リセールが高いことで有名なランドクルーザープラド。
その人気は2023年になった今でも衰えず、高いリセールバリューを維持し続けています。
もともとリセールの良いプラドですが、実は購入する際につけるオプションやグレード等によってリセールバリューも大きく変動することが知られています。
この記事では、新車でランドクルーザープラドを購入する際にリセールに影響するオプション等を紹介します。
最初に選択すべきはエンジンタイプ
ランドクルーザプラドにはガソリンとディーゼルの2つのエンジンタイプがあります。
プラドを購入する際にこのエンジン選びで選択に迷う人が多いのですが、結論から言うと、リセールはガソリンの方が良いです。
理由は以下のとおりです。
メンテナンスがしやすい
プラドがリセールが高い理由の一つに海外への輸出があげられます。主な輸出先としてはパキスタンです。プラドのガソリンエンジン(直4 2.7L 2TR-FEエンジン)は2003年から生産されており、ハイエースやハイラックスサーフにも搭載されているので、世界的に認知度が高く、信頼性の高いエンジンです。そのため、メンテナンスしやすく、精通しているエンジニアが世界中に存在します。一方、プラドのディーゼルエンジン(直4 2.8L 1GD-FTV)は2020年8月3日に改良されてパワーアップしましたが、新しいエンジンである分、世界的にこのエンジンをメンテナンスできるエンジニアが少ない状況です。
AdBlue(アドブルー)を補充する必要がない
ディーゼルエンジンは排気中の窒素酸化物を浄化するためのAdBlue(アドブルー)を定期的に補充しないと走らなくなります。これはプラドに搭載されているディーゼルエンジンも同様です。AdBlueを定期的に補充する手間がある上に、世界中どこでもAdBlueが手に入るわけではないので輸出には不向きと言われています。
ガソリンエンジンはAdBlueは必要なく、世界的に流通しているガソリンやエンジンオイルを定期的に交換していれば問題なく走ることから輸出に適していると言えます。
上記理由からリセールの面ではガソリンエンジンに軍配が上がりましたが、どれほどの差があるかを見てみましょう。
グレードはTX-Lパッケージ(7人乗り)、ボディー色はパールホワイト、内装はベージュ、サンルーフ有り、ルーフレール有りの場合の5年落ちの比較です。
ガソリン | ディーゼル | |
平均売却額 | 470万円 | 410万円 |
平均残価率 | 112% | 85% |
新車購入額 | 4,202,280円 | 4,822,200円 |
ディーゼルの方が新車購入額が高いため差が大きく見えますが、ディーゼルも十分に高い残価率となっています。
【補足】リセールの面で比較しましたが、ディーゼルは燃料が軽油なので維持費が安い、トルクが大きいので重いものを積んでも楽に走行できたり、オフロードの走破性が高いなどのメリットがあります。乗りつぶす前提で長く乗る場合はディーゼルの方が良い面もありますので、自分の目的に合ったエンジンを選ぶと良いでしょう。
選ぶべきグレード・ボディーカラー・内装色・乗車人数
グレード
プラドには上の3つのグレードがありますが、一番リセールが良いのはTX-Lパッケージです。次にTX、最後にTZ-Gと続きます。
TXはベースグレードですが、新車購入時の価格が安くリセール時の買い取り価格が落ちないので残価率が高めです。最上位グレードのTZ-Gはディーゼル限定車のため、新車購入時の価格が高いわりには残価率が低くなります。
ボディーカラー
プラドのボディーカラーは上の5色を選択できます。
一番リセールが良いのはホワイトパールクリスタルシャイン(070)です。オプションカラーなので33,000円かかりますが、十分に元が取れます。次にリセールが高いボディーカラーはブラック(202)です。関係性としては以下のイメージです。
ホワイトパールクリスタルシャイン(070) ≧ ブラック(202)
※ホワイトパールとブラックのリセール時の差は0~40万円程度です。
内装色
内装色は上の通り、ベージュかブラックを選択できます。
リセールが良いのはベージュです。主要輸出先であるパキスタンは砂漠地帯が多く、日によっては気温が40℃以上の日もある国です。そんな国だからこそ、ブラックよりは熱を持たないベージュが人気があるのでしょう。
乗車人数
プラドには5人乗りと7人乗りが設定されています。
リセールが良いのは7人乗りです。5人乗りと7人乗りの購入時の差額は15万円ほどですが、リセール時には同等かそれ以上の買い取りになります。
また、三列目の座席はかなり狭く、床から座面の高さも低いため、補助的な座席にはなりますが、臨時的に使用する分には問題なく使用できるレベルです。リセール時に差額が返ってくることを考えると、絶対に5人以上乗せることがないという人以外は、7人乗りにすることによる恩恵を受けることができると思います。
リセール狙いで付けるべきオプション
続いて、リセール狙いで付けるべきオプションについて解説します。
オプションはメーカーオプションとディーラーオプションがありますが、リセールにはメーカーオプションしか影響しません。逆に言うとディーラーオプションはリセール時にはほとんど考慮されないと思っていただいた方が良いです。
また、メーカーオプションは注文時にしか付けられないオプションで、後付けができないため慎重に選択しましょう。
チルト&スライド電動ムーンルーフ(挟み込み防止機能付)
海外ではムーンルーフ(サンルーフ)がついている車が高級車であると考えられているため、人気のオプションです。内戦があるような国では、サンルーフから顔を覗かせてマシンガンなどの武器を操るといった用途でも使われているそうで、必需品となっています。オプション購入価格は110,000円と安くはないですが、リセール時は購入価格以上の買い取り価格が期待できます。
ルーフレール(ブラック)
海外でもルーフキャリアをつけて荷物を大量に運ぶことが多いため、ルーフレールは取り付けてあった方がリセールが良い傾向があります。オプション購入価格は27,000円ですが、こちらも購入価格以上のリセールが期待できます。ディーラーオプションのシルバーのルーフレールもありますが、38,500円と高額になることと、先述の通りリセールへの影響度はメーカーオプション>ディーラーオプションの関係にあるため、色のこだわりが無い限りメーカーオプションのルーフレールを選択しましょう。
ディスプレイオーディオ
車に取り付けるナビもリセールに影響します。メーカーオプションで注文する必要があるディスプレイオーディオを選択することでディーラーオプションや社外ナビを取り付けた場合と比較するとプラス10万円~20万円程度のリセールを期待できます。メーカーオプションのディスプレイオーディオは価格が446,600円と初期投資は掛かりますが、ETC2.0がついてきたり、車体に取り付けられたカメラにより360度確認できるマルチテレインモニターが付いてくることで、車体左前にあるサイドアンダーミラー(通称キノコミラー)を外すことができるといったメリットもあるので、予算に余裕がある場合は取り付けることをお勧めします。
まとめ
ランドクルーザープラドを購入する方は、リセール時の下取り価格については気になるポイントだと思います。輸出狙いでプラドを購入する方は輸出時の制限や関税の関係から、3年~5年でリセールに出すことをお勧めします。遅くともロシア向けの輸出対象となる7年目までにはリセールに出したいところです。
注意点として、プラドは2023年にフルモデルチェンジすることが予想されています。フルモデルチェンジがあった後は当然リセール価格が変動しますので、リセールに出すタイミングは注意深く見ておく必要があります。
プラドを購入する際や、リセールに出す際には一社に査定してもらうのではなく複数社で競わせることで限界値を出させることが重要です。
一括査定申し込みをすれば、複数社に連絡したり査定のために店舗まで行く手間が省けます。
自宅まで業者に来てもらって査定してもらい、複数業者に競わせることで限界値に近い価格で愛車を下取りに出すようにしましょう。
他にも車関連の記事を紹介しています。


